totojp’s blog 教育言いたい放題

若い先生方に読んで欲しくて書いています

ぼくらの時代

 栗本薫という作家がいた。学生の頃,読書青年だった私はこの作家のほぼデビュー作に近い,江戸川乱歩賞を取った「ぼくらの時代」という推理小説が好きだった。バンドの若者たちが事件に巻き込まれていく話である。内容はそれ以上覚えていないが,当時の若者の姿を活き活きと表現していたように思う。さて,そんなことから今回は“ぼくらの時代”という言葉を使いたくて,そう書きましたが,内容は私が今まで生きてきた時代についてです。
 1961年に田舎に生まれました。私たちの世代は戦後日本が苦しかった時代は知りません。しかし,町の道路がまだ舗装されていなかったり,貧しい時代は知っています。そう”三丁目の夕日”です。子供の頃が高度経済成長という時代だったので,日本が今のように発展してきた様子を見てきている。当時,町は活気づき,知り合いのスキー場のホテルではジュークボックスからビートルズが流れ,若者は青春を謳歌していた。町のお祭りなども活気づき,盛り上がっていた。テレビでは“巨人の星”などスポ魂ものが放送され,子供ならだれでも視聴していた。”努力”と”根性”です。
 努力と根性さえあれば夢が実現できる,そんな時代に成長できた私たちは今思えば,幸せだったのだと思う。人に自慢するほどではないが,努力と根性で教職にも就けたし,そしてその仕事を定年までまっとうすることができた。今までの人生,自分の子供の頃に描いた夢は叶えることが出来たようにも思う。まだまだ教師として,授業を通して生徒と向き合い,授業を通して生徒を育み,未来を創っていきたいと思う。一方,もう今の学校現場では通用しないとも実感している。そして,何事もいつかは終りがくる。後進に任せるときが来たとも思う面もある。
 そんな私たちの世代が子供たちに教える事のできる大切なこと,それは”夢をを持つことの大切さ”ではないかと思う。人は希望なしでは生きていけない。そして,61になる今も私自身も夢をもっている。