totojp’s blog 教育言いたい放題

若い先生方に読んで欲しくて書いています

そろそろカリキュラムを語ります

 そろそろカリキュラムを語ります。これを語りたくて,このブログを始めたようなもですが,これからの初中等学校の教育で学力の向上を考えとき,学校づくりのキーになることは次の3つだと思う。

 ・魅力ある総合的な学習の時間の創出

 ・ICTの活用

 ・基礎基本の確実な定着

 この3本の矢を充実させるしかないと考えます。

  どうしてこの3つなのかというと,ひとつずつ説明していきます。

・魅力ある総合的な学習の時間の創出

 日本の教育は,学習指導要領という縛りがあり,日々の教科の授業は教科書を使って行われており,堅いカリキュラムしか組めないのだ。しかし,その中で唯一学校や学級で自由に編成できる柔らかいカリキュラムを持てるものがある。それは現行の学習指導要領では総合的な学習の時間しかない。したがって,この時間のあり方がその学校の子供たちの学力を決めると言っても過言ではない。

 ここで言っている学力とは,テストの点数など狭義の学力でなく,広い意味での学力であり,かつて言われた見えない学力(見えにくい学力),「生きる力」と言ってもよい。しかし,また触れるが,この総合的な学習の時間は取り入れてからもう何年も経つが,本当に学校や職員のやる気の差によって,大きな差が生じている。

・ICTの活用

 現代社会はコンピュータで動いていることは言うまでもない。しかし,いつまで経っても成果を収めない英語教育のように,PCの世界では日本は後進国になってしまった。私はこの10年,“タブレット端末の盤面上で,思考創造した者だけが,次の時代を創る”と考えて教育に携わってきた。失われた20年,30年を変える力は,教育でのICTに活用で,ここに国の浮き沈みが決まると考えている。

・基礎基本の確実な定着

 私が数学教師のせいだろうか?これを強く感じる。「悪いな悪いな」と思いながら低位生のできないことを目をつぶって置いてきぼりにしたり,できなくて騒ぐ子を感情的におこったりもしてきた。数学などは既習事項が定着していなければ,先に進めない学問である。したがって,「基礎基本の確実な定着」は不可欠なのだ。しかし,堅いカリキュラムでは戻ることができないし,できる子はふきこぼしてしまう。お金のある家庭ならば塾で,しっかりと家庭で補うのだが,貧しい家庭はここに手が入らない。そうそれが格差社会の元凶なのだ。

 学校は個々の子供たちに寄り添って,そのできないことに手立てを講じていくことが必要である。もちろんできる子には総合的な学習などで,どんどん発展的な力を伸ばしていけば良いのだ。

 私の言っていることは,総合で発展的な学力,一方で基礎基本ということで,両ウィングに手を伸ばしたカリキュラムを創ろうと言っているのだ。

 これを学校で行うのは,なかなかエネルギーが必要だが,今の学校を変えるのはこれしかないと思う。