totojp’s blog 教育言いたい放題

若い先生方に読んで欲しくて書いています

中田さんのこと 〜不登校の高校生〜

 中田さん(仮名)は中学のときから不登校傾向の生徒で,高校に入学し,水泳の授業がネックになり,また不登校になり,1年留年し私のクラスに入ってきました。私のクラスでも1日だけ登校しただけで,また不登校になってしまいました。

 そこから,家庭訪問を始まりました。よかったのは彼女の家が学校に近く,家庭訪問しやすかったことです。しかし,最初は全然会う事ができなかったです。

 

 そこで手紙を書いて置いてきました。

 おじいさん、おばあさんとも仲良くなれ、今日は中田さんに会えるのではないかと期待して家庭訪問してきたのですが、会えなくて残念です。おそらく気恥ずかしいのでしょう。あなたの気持ちも分らないのではないので帰ります。しかし、中田さんに多少話をしたいので、今日は手紙を書きます。読んでください。

 お母さんやお父さんにも既に話をしてきたのですが、先生は無理やりあなたを学校にこさせようと考えているわけではありません。もちろん、学校にきてもらった方が良いことはもちろんだし、また、あなたは十分わかっていると思いますが、義務教育と違って高校であるので、お金の面や単位のことで制約があるので、ゆっくり休めないことは確かなことです。

 しかし、先生は中田さんに学校にくることより、今の家の中で家族の中だけで生活していることから脱却して、自立して、社会の中で生きられるようになって欲しいと考えています。そのために先生があなたやあなたの家族のために手助けできることがあれば、少しでもしたいと考えています。そのために今日も家庭訪問をしました。

 また、しばらくしたら家庭訪問に来るつもりです。少しでも話し合うことができるようになったら、話をしましょう。さようなら。

 

 手紙のように最初は家庭訪問で,祖父母と仲良くなることから始めました。彼女は一人っ子で両親,祖父母と暮らしています。両親,祖父母ともすこぶる良い方でした。祖父母が親で,両親が兄弟のような関係で,彼女は自立して他の子供と関わる必要がなく,成長してきてようです。

2つ目の手紙です。

 会えなかったので、手紙を書きます。読んでください。

 もう分っていると思いますが、およそ6月末で欠課時数が一定の次数をこえてしまい、あなたの留年が決定してしまいます。そこで、現状で学校来れず、留年してしまうなら、授業料等の保護者の負担を考えると休学を勧めます。

 また、さらに考えて欲しいことがあります。それは、あなたが将来何をやり、自立していきたいのか?そして、今そのために何をすべきか?ということです。おとうさんもおかあさんも家族みんな年を取っていきます。今のように家の中で一生気ままな生活をしていくことは、不可能です。先のことを考えて欲しいと思います。

 もし、ここで休学して、留年すればあなたは来年度、2歳年下の生徒と一緒に学習をすすめるクラスに入ることになります。それでもあなたは復学できる見込みはありますか?

 最初の質問の休学するかどうかは、授業料のことがありますので、6月中に結論を出してください。できれば私に直接会って話をしてください。あとの質問はまだ時間があるので少しずつ考えていってください。

 

 2つ目の手紙は今読みかえすと,随分言い方がキツい文章だなと今思っています。その後,留年が決まった頃から彼女と話す事ができるようになり,最終的には公立の通信制の高校に移すことができました。彼女は学習は全然嫌ではなく,通信制はむいていたようで,その後通信は続いているとのことでした。

 親も中学教師も全日制の高校が普通であと思いがちで進めるが,彼女にも言いましたが,人には向き不向きがあることを忘れないようにしたいものです。