テストの形式
わが県では高校入試でテストの形式が変わったことがあった。それまではB4の表だけ2枚だったものが,問題用紙はA4の冊子になり,解答用紙はA3版になった。変わった原因は他にあるようだが,今の教育で求められているものしてPISA型読解力があるので,入試問題で単に数学の問題を解くだけでなく,文字を読む量が増えるのは必要なことで,その趣旨から変わったことは理解できる。したがって,問題冊子が必要になり,冊子をめくりながら採点するのはたいへんなので,解答用紙が必要になってくることは理解できる。
問題なのは中学校での定期テストでの形式である。3年生のテストなどは入試を想定して,入試と同様の形式のテストを作ることは生徒のためになることで,現在わが県のどこの中学校でも入試に合わせて,3年生の期テストは作られているだろうと思う。
しかし,入試と関係がない1,2年生にはいろいろな形式のテストが作られている。
① 入試と同じように,問題冊子と解答用紙があるもの。ただし,解答用紙はB4にしている
ところが多い。
② 問題用紙B4(表裏あり)で1~2枚,解答用紙はB4で表のみ
③ B4表裏で問題用紙と解答用紙の区別をせずに,問題の横に解答をかく
上の①~③以外にもいろいろな形式が出てきているだろう。
私は結論からいうと③の形式がよいと思っている。なぜならば問題を解いて,横の解答欄に書くのだから,答えを出してから答案に書く間で生徒にとって迷いはがないのでよいのではと考えている。②は,答えばかり見ればよいのだから,採点する教師にとって都合がよいので,取り入れられていると考えている。
また,以前,①の形式でテストをつくる学校で,③の形式でテストを出したら,生徒が終わった後に私のところに来て,「先生,その形式。簡単でいいよ」と言われたことがある。そのとき,③の形式が生徒にとっては,一番抵抗が少ないだろうと実感した。
しかし,これはあくまでも私が数学の教師なので,③を押すのだと思う。文が明らかに多い。国語など他教科は②ではないと都合が悪いだろう。したがって,全教科形式を合わせるということならば,②が適切だと考えられる。
21世紀型学力と言われて久しいが,定期テストの在り方自体も,紙オンリーにたよるのではなく根本的に考え直さなければならない時期なのかもしれない。